日々のつぶやき

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満員電車、解決に有効なのは?(2)

技術的な話をしよう。どのような投資をすれば混雑緩和につながるか。一般的に考えられるのは「複々線化」や「新線建設」、「長編成化」、「増発」な どである。複々線化、新線建設は劇的な効果が見込めるものの、莫大な費用を必要とする。また、大都市圏ではこれ以上の増発は困難とされる。なのでみんな口 を揃えて「長編成化」というがこれは効果があるのか。

まず「増発が限界」という話だが、そ もそも鉄道の増発の限界は何で決まるのか。大都市圏の特に混雑が激しい路線で2分間隔であり、このあたりが最大本数のようだ。理論的にはどうか。電車と電 車が最低限取らなくてはならない車間距離がある。一般の鉄道は600mで止まらなくてはならない(いわゆる600m条項)とされており、停車には 120km/hで走っていると30秒程度掛かるようだ。なので実は30秒間隔で走らせることができる。2分間隔は駅の話であり、電車がホームに入ってきて 人を乗せ降ろしし、ドアを閉めて発車し、次の電車が入ってくるのに2分かかってしまうことが2分もかかる原因である。長編成化はこの間隔を長くしてしまう ため、逆効果なのである。

線路自体は複線でも一時間に120本、現在の4倍程度を捌く能力を持っていて、駅が増発の律速となっている。

これを解消するためには駅を改良すれば良いことがわかる。交互発着という方法があり、駅の番線を二つ交互に使う。1番線に電車が止まっていても2番線に電車が入れるので単純計算で2倍の列車を発車させられる。すべての駅で導入すればポイント切り替えの時間があるため単純に二倍とは言わないが一時間に40本程度は余裕であると考えている。この方式のよいところは現在「律速」になっている駅から順番に増強を行うことですぐに効果を発揮できることである。

次に通過線を付けることである。駅に止まらなければよいので通過線を付けて2本に1本は通過させることにすると、2倍の列車を捌くことができる。これは通過列車の割合を増やせばいくらでも駅の電車を捌く能力を向上させられる。列車の平均速度も上昇するので、混雑を我慢しなければならない時間も短縮する。線路の幅だけ確保すればよいのでホームを増設する場合よりも低コストである。